第26話 システム手帳第26話 システム手帳 岩井笙韻

システム手帳と言えば、今では知らない者はいないほど。年ごとに中身を入れ替えて、さまざまなアイテムもあり、外は総革張り。ブランド物には数十万円なんて物もある。持っているだけで、その人がいかにも仕事が出来るような感じがする(大抵は出来ないが)。

 しかし、今から三十年ほど前にはまだシステム手帳は日本に入ってきてはいませんでした。実はその前から、日本でももっと小さなシステム手帳があって、未だに丸善あたりでは売っています。名前を忘れました。でも誰でも知っているようなメーカーの物です。 私は中学生の頃にそれを買って持っていたので、友人がまだそれを使っているのを見て懐かしくなりました。

 さて、セミナーの時に、その司会者がシステム手帳を使っていました。もうぼろぼろだったので、相当使い込んでいたのでしょう。実は私の手元にも似たような手帳のカタログが来ていました。その名は

タイムマネージャー

バーガンディの革張り、鍵もかかる(この鍵のかかるという点にころっとまいってしまった)。40,000円以上する代物でしたが、珍し物好きな私はすぐに注文してしまいました(最近このメーカーを聞かないがまだあるのかしら)。
  
 脱線しますが、私の手帳好きは小学生の頃からで、買っては一頁くらいしか書かずに眺めているのが好き。ちなみに買った手帳を網羅すると、

タイムマネージャー

タイムシステム

アメリカの物(名前を忘れた)

ノックスブレイン

能率手帳から出ている物(これも忘れた)

PTM(かっこよさでは一番)二冊。

フランクリン・プランナー二冊・・・(もっとあるような気も、そのうち博物館が出来る)




 結論を言うと、実はこの手帳ほとんど役に立たなかったのです。大体、システム手帳というのは、

1.自分の人生の目標を設定する。

2.その目標を達成するために長期的な戦略を立てる。例えば10年単位。

3.その10年を一年ごとに細分化する。

4.次にその一年の目標を達成するには月ごとに何をすればいいかを決める。

5.それを週単位にして、次にその週の目標を達成するために今日何をするかを決める。

と言う方向で、中のアイテムが出来上がっています。

 もっとも、その後で始まったシルテ夢手帳のブームの中では、そこまで徹底していることは少なく、はじめは、メモを一冊にまとめるという程度の物も少なからずありました。上記のような、落とし込みのシステムに、自分の人生の目標を決めるような工夫を加えた物が最新の手帳で、代表格は、

フランクリン・プランナー

と言うのがあります。システムは良くできています。その関連の本を読むと、この手帳を使いこなしたら間違いなく自分がトップエクゼクティブになれると勘違いします(勿論私は持っています。A5とバイブルサイズ。何でも持っているのです。)。

 ただ問題は、どのようにして自分の人生の目標が分かるのかという点です。そこが決まらないと、手帳は日記同然か、かっこいいメモになってしまいます。

 では『人生の目標』とは何か?


世界一の書家になる?

年収何十億の実業家?

セレブの妻?


たぶん、何年か先に、何かの店を持ちたいというような限定された目的にはこの手帳は役に立ちます。しかし、今言ったような、大きな目的にはどうでしょうか?これには問題があるのです。

 

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